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「毎月3万円を20年積み立てたら、いくらになるんだろう?」——この疑問、頭の中でぼんやり考えていても答えは出ない。でも、シミュレーションツールに数字を入れれば30秒で結果が出る。
わたしも投資を始める前、「なんとなく増えるらしい」くらいの理解で止まっていた時期がある。シミュレーションを実際に回してみて初めて、「あ、複利ってこういうことか」と腑に落ちたんだよね。
この記事では、積立投資のシミュレーションを自分でやる方法と、無料ツールの選び方、そして「シミュレーション通りにいかない理由」まで正直にまとめた。
※本記事の情報は2026年9月15日時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
この記事でわかること
- 積立投資の複利計算式と、その仕組み
- 無料で使えるシミュレーションツール5つの特徴と選び方
- 利回り3%・5%・7%×積立額別の資産額早見表
- 想定利回りを何%に設定すれば現実的なのか
- 税金・手数料を加味した「実質リターン」の考え方
- シミュレーションと実際の結果がズレる理由
- 老後資金・教育資金・住宅頭金の目的別シミュレーション例
積立投資シミュレーションの計算式と複利の仕組み
- 積立投資のシミュレーションは「複利」の計算式で成り立っている
- 元本だけでなく「利益にも利益がつく」のが複利の本質
- 計算式自体はシンプルだが、期間が長いほど結果が大きく変わる
積立投資のシミュレーションに使う計算式はこれだけ。
将来の資産額 = 毎月の積立額 × {(1 + r)^n − 1} ÷ r
- r = 月利(年利 ÷ 12)
- n = 積立月数(年数 × 12)
たとえば年利5%で毎月3万円を20年積み立てる場合、r = 0.05÷12 ≒ 0.004167、n = 240ヶ月。この数字を当てはめると計算できる。
ただ、正直なところ、この式を自分で電卓に打ち込む必要はない。ツールに任せればいい。学ばなくていい、楽すればいい。
大事なのは「なぜ同じ積立額でも結果が大きく変わるのか」の理解だけ。
単利と複利の違いを1つだけ覚える
単利は「元本だけ」に利益がつく。複利は「元本+過去の利益」にも利益がつく。この差が、10年・20年と経つにつれてどんどん開いていく。
毎月3万円を20年間積み立てた場合の元本は720万円。ここに年利5%の複利がつくと、元本の約1.7倍になる。単利なら約1.5倍どまり。この差額は期間が長くなるほど加速的に広がるんだよね。
わたしが最初につまずいたのは、「複利って言っても序盤は全然増えない」という現実だった。最初の数年は元本が小さいから、利益も小さい。10年目あたりから「あ、カーブが変わってきた」と感じるようになる。ここを知らずに「全然増えないじゃん」とやめてしまう人が多い。
無料で使えるおすすめシミュレーションツール5選と使い方
- 全部無料。会員登録不要で使えるものがほとんど
- ツールごとに「得意な計算」が違うので、目的で選ぶのがコツ
- 1つだけ使うなら金融庁のツールが一番クセがない
主要ツール比較
| ツール名 | 提供元 | 特徴 | 税金考慮 | 登録 |
|---|---|---|---|---|
| 資産運用シミュレーション | 金融庁 | シンプル、NISA前提の設計 | なし(非課税前提) | 不要 |
| 積立かんたんシミュレーション | 楽天証券 | 目標額から逆算できる | なし | 不要 |
| つみたてシミュレーション | SBI証券 | ファンド別リターンで試算 | 一部対応 | 不要 |
| 積立シミュレーション | 野村證券 | インフレ率の設定が可能 | あり | 不要 |
| ke!san(CASIO) | CASIO | 計算式カスタマイズの自由度が高い | 手動で設定 | 不要 |
(2026年9月15日時点・目安、最新は公式サイトで確認)
迷ったら金融庁のツールから
金融庁 資産運用シミュレーションは、毎月の積立額・想定利回り・積立期間の3つを入力するだけで結果が出る。余計な選択肢がないぶん、初心者が迷わない。
操作手順はこれだけ。
- 上記リンクからシミュレーションページを開く
- 「毎月の積立金額」を入力(例: 30,000円)
- 「想定利回り(年率)」を入力(例: 5%)
- 「積立期間」を入力(例: 20年)
- 「計算する」ボタンを押す
結果画面に、最終積立金額と元本の内訳がグラフで表示される。
目標額から逆算したいなら楽天証券
「老後までに2,000万円つくりたい。毎月いくら積み立てればいい?」という逆算をしたい場合は、楽天証券の積立かんたんシミュレーションが使いやすい。「目標金額から逆算」モードがあって、目標額と期間と利回りを入れれば必要な毎月の積立額が出る。
実際に使い始めて気づいたのは、ツールによって「デフォルトの利回り設定」が違うこと。金融庁のツールはデフォルトが空欄だけど、証券会社のツールは3%や5%があらかじめ入っていることがある。この初期値をそのまま使うと「思ったより楽観的な結果」になりがちなので、自分で数字を入れ直すのが地味に大事なんだよね。
利回り・積立額・期間別シミュレーション結果を一覧で比較
- 同じ積立額でも、利回りと期間で結果がまるで違う
- 「期間を伸ばす」ほうが「積立額を増やす」より効果が大きいケースがある
- 下の表は税引前・手数料未考慮の概算値
積立額×利回り×期間の資産額早見表(税引前)
| 毎月の積立額 | 期間 | 元本合計 | 年利3% | 年利5% | 年利7% |
|---|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 10年 | 120万円 | 約140万円 | 約155万円 | 約173万円 |
| 1万円 | 20年 | 240万円 | 約328万円 | 約411万円 | 約521万円 |
| 1万円 | 30年 | 360万円 | 約583万円 | 約832万円 | 約1,220万円 |
| 3万円 | 10年 | 360万円 | 約419万円 | 約466万円 | 約519万円 |
| 3万円 | 20年 | 720万円 | 約985万円 | 約1,233万円 | 約1,563万円 |
| 3万円 | 30年 | 1,080万円 | 約1,748万円 | 約2,497万円 | 約3,660万円 |
| 5万円 | 10年 | 600万円 | 約699万円 | 約776万円 | 約865万円 |
| 5万円 | 20年 | 1,200万円 | 約1,642万円 | 約2,055万円 | 約2,605万円 |
| 5万円 | 30年 | 1,800万円 | 約2,914万円 | 約4,161万円 | 約6,101万円 |
(想定利回りは年率・複利。税引前・手数料未考慮の概算。実際の運用成績を保証するものではありません)
この表の見方のコツ
注目してほしいのは「期間」の影響力。毎月1万円×30年(年利5%)の約832万円は、毎月3万円×10年(年利5%)の約466万円を大きく上回る。積立額が3倍でも、期間が3分の1だと負ける。
つまり、「今すぐ大きい金額を積み立てなきゃ」と焦る必要はなくて、「少額でもいいから早く始める」ほうが複利の恩恵を受けやすい。
ここで一つ、匿名の事例を紹介する。
Bさん(28歳、会社員)は「まとまったお金ができてから始めよう」と3年間先延ばしにしていた。その後、毎月3万円の積立を始めたんだけど、シミュレーションで「3年早く始めていたら、同じ年利5%でも60歳時点で約200万円以上の差がつく」と気づいた。Bさんは「金額じゃなくて時間が大事だったのか」とわかって、まずは月1万円の少額からスタート。結果的に生活に負担をかけずに投資を続けられているそうだ。
シミュレーション結果を現実に近づけるための注意点と調整方法
- シミュレーションの数字は「理想値」。現実とのギャップを知っておくことが重要
- ズレの主な要因は4つ: 利回りのブレ、税金、手数料、インフレ
- 全部を正確に予測するのは不可能だが、「ざっくり調整」はできる
要因1: 利回りは毎年一定ではない
シミュレーションは「毎年〇%ずつ増える」前提で計算している。でも実際の運用では、ある年は+20%、別の年は−15%ということが普通に起きる。
長期で見れば平均に収束する傾向はあるけど、「積立の終盤に暴落が来ると影響が大きい」という点は知っておいたほうがいい。序盤の暴落は元本が小さいからダメージも小さい。終盤は元本が大きいぶん、同じ下落率でも金額のインパクトが段違いになる。
要因2: 税金の影響
新NISA口座(つみたて投資枠: 年120万円、成長投資枠: 年240万円、生涯上限1,800万円)を使えば、運用益は非課税になる。一方、特定口座で運用した場合は利益に対して約20.315%の税金がかかる(2026年9月15日時点)。
個人的には、シミュレーション結果を見て「こんなに増えるのか」と感動した直後に、「でもこれ課税口座だと2割持っていかれるんだよな」と冷静になった経験がある。正直なところ、NISA枠を使い切れるなら使い切るに越したことはないと感じた。
国税庁 株式等の譲渡所得等の課税に課税の詳細がある。
要因3: 手数料(信託報酬)
投資信託には信託報酬(年間の運用管理費用)がかかる。これは日々の基準価額から差し引かれるため、表面上は見えにくい。
たとえば年利5%のファンドでも、信託報酬が年0.1%なら実質4.9%、年1.0%なら実質4.0%。長期になるほどこの差が資産額に効いてくる。
要因4: インフレの影響
「30年後に3,000万円」と聞くと大きく感じるけど、インフレ率が年2%だと、30年後の3,000万円の実質的な購買力は今の約1,650万円相当になる。シミュレーションの数字をそのまま「今の感覚」で解釈すると、過大評価になりがちなんだよね。
想定利回りは何%が現実的か
「何%に設定すればいいのかわからない」という声が多い。目安として、以下を参考にしてみてほしい。
| 資産クラス | 過去の長期平均リターン(参考値) | 備考 |
|---|---|---|
| 全世界株式 | 年5〜7%程度 | 20年以上の長期で見た場合の概算 |
| 先進国株式 | 年5〜8%程度 | 米国株比率が高いと上振れ傾向 |
| バランス型(株式50%+債券50%) | 年3〜5%程度 | 値動きがマイルドになるぶんリターンも控えめ |
| 国内債券中心 | 年1〜2%程度 | 安定重視だがインフレ負けのリスクあり |
(過去実績であり将来のリターンを保証するものではありません)
わたしがシミュレーションするときは、「控えめに3%、まあまあで5%、楽観的に7%」の3パターンを並べて見るようにしている。1つの利回りだけで計画を立てると、外れたときにメンタルがやられる。
目的別シミュレーション例:老後資金・教育資金・住宅頭金
- 目的によって「必要額」「期間」「許容リスク」が全然違う
- 目的が決まれば、逆算で毎月の積立額が見えてくる
- 新NISAのつみたて投資枠を活用する前提で考えると見通しが立てやすい
例1: 老後資金2,000万円を目指す場合
30歳から60歳までの30年間、年利5%で積み立てる場合、毎月約2.4万円で2,000万円に届く計算になる(税引前)。新NISAのつみたて投資枠(年120万円=月10万円)の範囲内なので、運用益は非課税。
「月2.4万円ならなんとかなるかも」と思えるか、「いや厳しい」と思うかは人それぞれ。ただ、月1万円からでも始めて、昇給や支出見直しに合わせて増額していく方法もある。
例2: 教育資金500万円を18年で準備する場合
子どもが0歳のときから18年間、年利3%で積み立てるなら、毎月約1.8万円。年利5%なら毎月約1.4万円。
教育資金は「使う時期が決まっている」のがポイント。18年後にちょうど暴落していたら困るので、目標達成が近づいてきたら徐々に安全資産(預金や債券)に移す判断も必要になる。
例3: 住宅頭金300万円を5年で貯める場合
5年間、年利3%で毎月約4.6万円。年利5%なら毎月約4.4万円。
正直なところ、5年は投資期間としては短い。短期間だと元本割れのリスクが相対的に高くなるので、「全額を投資に回す」よりも「一部は定期預金、一部を積立投資」と分けるほうが安全だと感じた。5年後に確実に使うお金を全額リスク資産に置くのは、個人的にはちょっと怖い。
他の比較サイトでは触れにくい「シミュレーションの盲点」
- シミュレーションは「続ける前提」で計算されている
- 途中で積立額を変更したり、一時停止した場合の影響は反映されない
- 「精度」より「使い方」のほうが結果を左右する
盲点1: 途中で積立額が変わるケースを想定していない
多くのシミュレーションツールは「毎月一定額を積み立て続ける」前提で計算する。でも現実には、転職で収入が減ったり、ボーナスが出たときに増額したり、子どもの進学で一時的に減額したりする。
わたしも最初のシミュレーションでは「月5万円を30年」で計算して「おお、すごい額になる」と喜んだけど、実際には月2万円に減額した時期が1年あった。当然、シミュレーション通りにはならない。
これに対応するには、「減額した期間」と「元に戻した期間」で分けて2回シミュレーションし、結果を足し合わせるしかない。CASIOのke!sanなら、こうした分割計算がやりやすい。
盲点2: 「始める時期」がシミュレーションに含まれない
ツールに「いつ始めるか」の入力欄はない。でも、「来月から始める」と「半年後から始める」では、半年ぶんの複利が丸ごと消える。特に長期投資では、この「始めなかった期間」の機会損失が地味に大きい。
盲点3: 為替の影響
全世界株式や先進国株式に投資する場合、ファンドの基準価額は為替レートの影響を受ける。円安なら基準価額が上がるし、円高なら下がる。シミュレーションの「年利〇%」にはこの為替変動が含まれていないことが多いので、実際のリターンとのズレが生じる。
リスクと注意点
- シミュレーションはあくまで「見積もり」であり、将来の運用成果を約束するものではない
- 投資は元本割れのリスクがある
- 自分のリスク許容度を超えた積立額を設定しない
投資は元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任において行ってください。
シミュレーションで「30年後に3,000万円になる」と出ても、それは特定の利回りが毎年安定的に続いた場合の計算結果。実際の市場は上がったり下がったりを繰り返す。
特に注意したいのが、「シミュレーション結果に合わせて生活費を切り詰めすぎる」こと。投資のために生活が苦しくなって途中でやめてしまったら、複利の恩恵は得られない。「無理なく続けられる額」で設定するのが、長期投資の最大のコツだと思う。
よくある質問
Q1. シミュレーションの利回りは何%に設定するのが妥当?
全世界株式インデックスに投資する場合、過去の長期実績から年3〜7%の範囲で設定するのが一般的。1つの数字だけでなく、「控えめ・中間・楽観」の3パターンで試算するのがおすすめ。年10%以上で計算すると現実離れしやすいので、高く見積もりすぎないほうがいい。
Q2. 新NISAのつみたて投資枠でシミュレーションするときの注意点は?
新NISAのつみたて投資枠は年120万円(月10万円)が上限。この枠内なら運用益は非課税なので、シミュレーション結果がそのまま手取りになる。枠を超えて特定口座で運用する場合は、利益の約20.315%が税金として差し引かれるため、シミュレーション結果から2割引きくらいで考えておくと現実的。
Q3. iDeCoのシミュレーションはどこでできる?
iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)に専用のシミュレーターがある。iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、「運用益」だけでなく「節税効果」も含めた試算ができるのが特徴。ただし60歳まで原則引き出せないという制約があるので、流動性が必要な資金には向かない。
Q4. シミュレーション通りに増えなかったらどうすればいい?
短期的にシミュレーションを下回ることは普通に起きる。年利5%で計算しても、実際には−10%の年もあれば+25%の年もある。大事なのは「1年ごとの結果」ではなく「10年・20年単位で平均に近づいているか」を確認すること。毎月の基準価額に一喜一憂するより、年に1回くらいの頻度で全体を見直すほうが精神的にも楽。
Q5. 積立額を途中で変更した場合、シミュレーションはどうやり直す?
変更前と変更後で「2つのシミュレーション」を回して、結果を合算するのが簡単な方法。たとえば「最初の5年は月2万円、その後は月4万円」なら、まず月2万円×5年で元利合計を出し、その金額を「初期投資額」として月4万円の積立に加えて再計算する。CASIOのke!sanや、Excelの将来価値関数(FV関数)を使えば対応できる。
Q6. 手数料(信託報酬)はシミュレーションにどう反映すればいい?
一番簡単なのは、想定利回りから信託報酬を引いた数字でシミュレーションすること。たとえば年利5%を想定していて、信託報酬が年0.2%なら、4.8%で計算する。これで手数料の影響をざっくり反映できる。信託報酬は各ファンドの目論見書や運用報告書に記載されている。
まとめ
積立投資のシミュレーションは、「将来の正確な予測」ではなく「今の計画が現実的かどうかの確認ツール」として使うのが正しい付き合い方だと思う。
- 複利の計算式は覚えなくていい。無料ツールに任せればOK
- 利回りは3%・5%・7%の3パターンで試算すると、楽観と悲観の幅が見える
- 新NISAのつみたて投資枠(年120万円)を使えば運用益は非課税
- シミュレーションと現実のズレは「税金」「手数料」「為替」「積立中断」が主な原因
- 「金額を増やす」より「早く始めて長く続ける」ほうが複利の効果は大きい
実際にシミュレーションを回してみると、「なんとなく不安」が「具体的な数字」に変わる。それだけでも、やる価値はあると感じている。
積立投資の始め方やNISA口座の選び方については、証券口座の比較記事も参考にしてみてほしい。投資の考え方をもう少し深掘りしたい場合は投資戦略カテゴリにもまとめてある。
この記事を書いた人
楽生き編集部|2020年から個人投資を続けており、楽天証券・SBI証券・松井証券を実際に利用した経験をもとに情報を発信しています。NISA・iDeCo を活用した長期投資をテーマに、初心者が実際につまずく点を重点的に解説しています。

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